犬の歯磨きをしないと寿命に影響する?|歯周病と寿命の関係を獣医師が解説

犬の歯磨きは歯周病予防のために最も有効なケア方法です。
犬の歯周病は口の中だけでなく、全身の病気の原因になることをご存知でしょうか。
犬の歯周病は口以外にも
- 心臓
- 腎臓
- 肝臓
- 肺
などの臓器に影響を与える可能性があります。
歯磨きをしないことは間接的に犬の寿命に影響するかもしれません。
とはいえ犬の歯磨きはとても根気のいるケアですよね。
なかなか犬の歯磨きを続けられないという飼い主様も多いと思います。
今回の記事では
- 犬の歯磨きをしないとどのような病気が引き起こされるのか
- 犬の寿命を伸ばす歯磨きのポイント
などについて詳しく解説いたします。
ぜひ最後までお読みいただき、日頃のデンタルケアのモチベーションにしていただければ幸いです。
犬の歯磨きをしないと悪影響を受ける疾患
犬の歯磨きをしないと歯垢や歯石が蓄積し、歯周病が進行します。
歯周病が悪化すると歯周ポケットで増えた細菌が血液中へ入り込み、全身のさまざまな臓器へ影響を及ぼす可能性があります。
歯周病の影響を受けるといわれているのは
- 心臓病
- 腎臓病
- 肝疾患
- 肺疾患
- 敗血症
- 糖尿病
などの病気です。
それぞれについてみていきましょう。
心臓病
歯周病菌が血液を介して心臓に到達すると、心臓の弁や心内膜に炎症を起こす可能性があります。
特に高齢犬では心臓病を抱えていることも多く、歯周病が病状の悪化に関与することがあります。
犬の歯磨きをしないと心臓病のリスクが高まり、寿命に影響を与えるかもしれません。
腎臓病
腎臓は血液をろ過する臓器であるため、歯周病菌や炎症物質の影響を受けやすいと考えられています。
慢性的な炎症が続くことで腎臓へ負担がかかり、腎機能の低下につながる可能性があります。
高齢犬では歯周病と腎臓病を併発していることも多いです。
犬の歯磨きをしないことは腎臓病を引き起こすことにも繋がり、犬の寿命を短くしてしまうかもしれません。
肝疾患
肝臓も血液中の細菌や毒素の影響を受ける臓器です。
歯周病が進行すると肝臓への負担が増え、肝機能に影響を及ぼす可能性があります。
もともと肝臓病を抱えている犬では、歯磨きをしっかり行い口腔内の衛生管理をすることが大切になります。

肺疾患
口の中の細菌を誤って吸い込むことで誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
特に高齢犬では飲み込む力が低下しているため注意が必要です。
歯磨きを続けて口腔内の細菌を減らすことは、肺炎予防にも役立つと考えられています。
敗血症
重度の歯周病では細菌が大量に血液中へ侵入し、全身に感染が広がる敗血症を引き起こすことがあります。
特に抗がん剤治療中の犬や免疫力が低下している犬は感染への抵抗力が弱いため注意が必要です。
敗血症は命に関わる重篤な病気であり、早急な治療が必要になります。
犬の歯磨きをしないことで敗血症のような全身性の感染症がおこると、犬の寿命が短くなる直接的な原因となります。
糖尿病
歯周病による慢性的な炎症はインスリンの働きを妨げ、糖尿病のコントロールを難しくすることがあります。
一方で糖尿病になると免疫力が低下し、歯周病も悪化しやすくなります。
歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼし合う関係にあるため、どちらも適切な管理が重要です。
糖尿病の犬では特に歯磨きを毎日の習慣にすることをおすすめいたします。
犬の寿命を伸ばす歯磨きのポイント
犬の歯磨きは毎日行うことが理想です。
歯垢は2〜3日ほどで歯石になり始めるため、できるだけ毎日歯ブラシで汚れを落としましょう。
歯磨きのポイントは、歯ブラシを縦に動かすことです。
歯周ポケットから歯垢を掻き出すイメージで磨いてあげると効果的です。
犬の歯磨きは最初から完璧を目指す必要はありません。
口元を触る練習から始め、デンタルシートや歯ブラシへと少しずつ慣らしていくことが大切です。
歯磨きが難しい場合はデンタルガムやデンタルフードを併用するのもよいでしょう。
すでに歯石が付着している場合は自宅で無理に取ろうとせず、動物病院でスケーリングを受けることをおすすめします。
定期的な口腔内チェックを受けることで歯周病の早期発見にもつながります。
まとめ

いかがでしたか。
犬の歯磨きをしないことは、歯周病だけでなく全身の健康や寿命にも影響する可能性があります。
毎日の歯磨きと定期的な歯科検診を続けることが、愛犬の健康寿命を延ばすための大切なポイントです。
当院では犬の歯科診療やデンタルケア指導にも力を入れています。
「口臭が気になる」
「歯石がたくさん付いている」
「歯磨きを始めたいけれど方法がわからない」
などのお悩みがありましたら、お気軽に当院までご相談ください。


